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INFO

黒沢幸男50代の頃

■BLCC Tバド

僕たちが欲しかったBLCCのTバド、実現しました。

かれこれもう、十数年待ち望んでいた、ちゃんと泳ぐTバド。有志メンバーが企画して作り上げました。

BLCC Tバド

7cm 約16g

現在某社から販売されているプラスチック版を我々が初めて見た時、多くのメンバーは首をかしげました。

「これは俺たちのTバドじゃない」

誰かがそうつぶやくと、誰もが同意の溜息を漏らしたのです。

【開発ヒストリー】

25年近く前の話になります。BLCCオリジナルTバドの開発に際して、お店初期からの古参常連は様々なプロトタイプのTバドを、黒沢氏から託されてフィールドに通いました。
上手い人だけでなく、一般人や筆者のような凡人も、誰もが釣れるルアーとして開発されたBLCCオリジナルTバド。テストには皆が貴重な釣行時間を費やしています。

Tバドプロトタイプ

左は研究のためウッドで作ったビッグバド。ウッドリップからアルミリップに進化している途中。
右はバルサ+ウッドで作ったプロト。現行に近づいていますが、まだリップ周りで試行錯誤の最中。

「ビッグバドなら釣れたのに」

当初はそう思ったメンバーも多数。しかしそうやって鍛えられて、現場で魚の口に訊いて進化、改良を繰り返したTバドは、いつしかビッグバド以上の使いやすさと釣果をもたらすメガヒットルアーになりました。

98年当時の河口湖、ブームのピークにあって湖岸を埋めつくす釣り人が、こぞってダウンショットリグをツンツンしている中、Tバドにわらわら群がりヒットするバスと、呆気にとられる初級者たちの表情は、痛快かつ爽快でした。

同時期に、池原ダムへテストに行った際は1日に、一人60本以上の50アップバスを釣りあげてしまった事。ロクマルが食ってくる前にゴーマルが食ってきてしまって困るシチュエーションは、今も語り草となっています。

Tバドプロトタイプ

98年の池原テスト。怒るように丸呑みで食ってくるので途中からバーブレスに変更

その後2000年代に入ったあたりから、

「初めてトップで釣れました」
「自己記録を更新しました」

というユーザーからの喜びの声が全国から届くようになり、雑誌にも取り上げられて黒沢氏やBLCCの名前が知れ渡るようになりました。

そして今から十数年前の事ですが、某社がプラスチック化を打診してきました。心優しい黒沢氏は、細かな条件などを煮詰めぬまま口約束で承諾したのです。
詳しい話は割愛しますが、出来上がったルアーは外観はTバドの特徴を多少持ち合わせているものの、ボトムに鉛を仕込んだ、強くボトムヘヴィーな別物になっていました。
ノンウェイト/センターバランスだからできるバド系の泳ぎはそこにはなく、皆がレポートし改良を施したエッセンスもない、いつしかプラ版TバドはBLCCメンバーの中で黒歴史となって行きました。

一方で黒沢氏の興味は、手間のかかるBLトンボの開発に向けられ始め、自身オリジナルのTバドはあまり作らなくなっていきます。
しかしながらオリジナルTバドでかつて楽しい思いをした方は全国にいて、そういう方たちの復活要望も大きくなってきた中で、今年春に黒沢氏が倒れる事となりました。

「どうせならTバドも3Dプリンタ化しよう」、そういう話も出ていた中での急病、そして閉店。有志達で企画し、黒沢氏の代理としての製造販売契約を書面で結びました。
そうやって出来上がったのが、3Dプリンタ版Tバドです。私たちがプラ化で求めていた多くの理想が実現出来ました。

【薄型アルミリップ】

薄型アルミリップ

Tバドの特徴ともいえるアルミリップは、初期型で使用されていた薄型アルミ板を採用しました。全国販売された量産型の方は曲がりにくい厚みのあるリップですが、キレのある泳ぎの薄型の方に根強い復活要望がありました。
一方で薄い分、ミスキャストで橋脚や岩盤にヒットするとリップが曲がりやすい欠点がありますが、ヘヴィユーザーには最初からリップを曲げて使う方も多く、曲がったら自分でいろいろと直しながら試していく楽しみも存在します。

【アコースティックサウンド】

プラ版で欲しかったのは、70年代ビッグバドのようなアコースティックサウンド。ウッド&バルサの複合ボディのオリジナルTバドとは大きく異なりますが、中空だからこそ出来る音色にこだわりました。70'sバドとは異なる、軽めに響くサウンドにしています。

【表面処理】

「表面が綺麗な艶ありの方が売れるが、釣果を考えたらザラついた方が絶対に良い」

ここ数年の黒沢の口癖で、60年に及ぶ釣歴の集大成となる言葉です。
今回の3Dプリント版も黒沢の哲学に則ってザラつきを意図的に出した塗装にしています。一見チープな塗装に見えつつ、かなり凝った表面処理となっています。

ペイントは長年BLCCルアーの塗装の多くを手がけられたレイルアーの小畑氏にお任せています。

【eカラー】

eカラー

カラー番号末尾にeという番号が振られているモデルは、半透明ボディで控え目に水面からの光を透過します。
今までにない光の揺らぎで、ナーバスに警戒するバスやナマズの「食い気スイッチ」を刺激しています。

【アクション】

アクションは、黒沢幸男ハンドメイドのオリジナルTバドを継承。
オリジナル同様、3Dプリンタボディにはウェイト類が一切なく、ボディの肉厚と金具類だけでバランスをとっています。
これにより、潜りたくても潜れない、ダートしたくても水を掴んで泳いでしまう、Tバドが魚を惹きつける要素を可能な限り再現させました。
これ1本で、バスもナマズも攻略出来ます。

■価格は6,600円(税込)

販売利益は黒沢氏の療養費に充てる予定です。
従来のBLCCルアーと比べるとやや割高な価格設定となりますが、ご理解をいただきたいと思います。

■購入方法

■通販サイト

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